第32回 磁気健康科学研究助成
対象者のご紹介

2025年8月~11月において募集された「第32回磁気健康科学研究助成事業」において、応募総数42件の中から、17件の磁気研究が採択され、助成総額は1,700万円となりました。
当財団の選考委員長である 多氣 昌生 先生(東京都立大学 名誉教授)の選考結果コメントや助成対象者のコメント動画等をご紹介させていただきますので、ぜひご覧ください。 

第32回 磁気健康科学研究助成
選考結果コメント
東京都立大学 名誉教授
選考委員長

多氣 昌生

第32回
磁気健康科学研究助成対象者
助成総額 1,700万円

磁気健康科学を推進するための研究助成を目的としています。磁気を用いて健康の維持及び増進を図ることをテーマにした基礎研究、応用研究、テーマ指定研究のうち有用な将来貢献度の高い研究が採用されます。

  • 01

    宮本 大輔

    長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科
    外科学講座移植・消化器外科学分野

    助教
    宮本 大輔

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    研究テーマ

    磁気集積能を有する脂肪組織幹細胞スフェロイド移植による
    骨盤臓器脱に対する再生医療の実現

    長崎大学の宮本です。本研究ではこれまでに確立させてきた間葉系幹細胞の三次元球場組織体(スフェロイド)と磁気材料を組み合わせて、組織移植後に任意の部位への集積能を有する新たな再生医療技術を開発させることを目的としております。大腸切除などでは術後の脱腸などが問題視され、腹腔内の空間をいかに埋めるかが課題であります。近年においては細胞移植技術が期待されている反面、このような大きな空間を効率的に埋めることは難しいものであります。本研究では磁気材料を組み合わせた間葉系幹細胞スフェロイドを用いることで生体外から磁気を利用して任意な場所での集積を促すことで、このような術後疾患に対する再生医療の実現を期待しております。

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  • 02

    趙 炳郁

    東京大学情報理工学系研究科
    知能機械情報学専攻

    助教
    趙 炳郁

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    研究テーマ

    超高磁場MRIによる非侵襲的3次元培養筋組織の立体構造評価

    このたびは「第32回磁気健康科学研究助成」に採択いただき、誠にありがとうございます。私の研究課題である「超高磁場MRIによる非侵襲的3次元培養筋組織の立体構造評価」では、体外で作製した骨格筋組織を対象に、15.2Tの超高磁場MRIを用いて、生きたまま内部構造を三次元的に可視化・解析します。従来、培養筋組織の評価には免疫染色や顕微鏡観察が用いられてきましたが、これらは組織を固定・破壊する必要があり、同一試料の経時変化を追跡することが困難でした。本研究では、筋線維の配向や密度、水分子の拡散、収縮時の内部変形、局所的な不均一性などを非侵襲的に評価し、培養条件や力学刺激との関係を定量的に明らかにします。さらに、得られた画像情報を既存の組織学的評価と比較することで、MRI計測指標の妥当性を検証します。これにより、再生医療、創薬、バイオアクチュエータ開発に貢献する新たな組織評価基盤の構築を目指します。

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  • 03

    永井 隆

    名古屋市立大学大学院医学研究科
    腎・泌尿器科学分野

    助教
    永井 隆

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    研究テーマ

    転移性尿路上皮癌に対する磁性ナノ粒子を用いた磁気温熱化学療法の開発

    私は、「転移性尿路上皮癌に対する磁性ナノ粒子を用いた磁気温熱化学療法の開発」をテーマに研究を行っています。磁性ナノ粒子を利用して腫瘍局所を加温することで、抗がん剤の効果増強を図り、従来治療では十分な効果が得られにくい転移性尿路上皮癌に対する新たな治療戦略の確立を目指しています。
    近年、がん治療は進歩している一方で、進行・転移症例に対する治療には依然として課題が残されています。本研究を通じて、より効果的で副作用の少ない治療法の開発につなげ、患者さんの予後やQOLの向上に貢献したいと考えています。
    このたびは貴重なご支援を賜り、心より感謝申し上げます。

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  • 04

    アルブレヒト 建

    九州大学先導物質化学研究所

    准教授
    アルブレヒト 建

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    研究テーマ

    磁気を発光によりイメージング可能な発光ラジカルの開発

    この度は、第32回磁気健康科学研究助成にご採択いただき、誠にありがとうございます。採択いただきました「磁気を発光によりイメージング可能な発光ラジカルの開発」では、磁気情報を生体内で可視化可能な新規分子プローブの創製に取り組みます。
    近年、磁気を利用した診断技術の重要性が高まる一方で、磁気情報を高い空間分解能で可視化する手法は依然として限られています。本研究では、発光特性とスピン特性を併せ持つ有機ラジカルに着目し、磁場に応答して発光特性が変化する分子系の構築を目指します。
    これにより、磁気情報を発光シグナルとして読み出すことが可能となり、細胞内や組織における磁気環境の可視化など、バイオイメージングへの応用が期待されます。本研究の成果を通じて、新たな磁気計測・診断技術の創出に貢献するとともに、助成金を有効に活用し研究の推進に邁進して参ります。

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  • 05

    谷田部 浩行

    東京大学大学院工学系研究科
    化学生命工学専攻

    助教
    谷田部 浩行

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    研究テーマ

    脳炎症の機能的診断を指向した超偏極-核磁気共鳴分子プローブの開発

    この度は、研究助成に採択頂きましたことに感謝申し上げます。脳炎症は脳腫瘍、アルツハイマー病、パーキンソン病など多様な脳疾患に関与します。本研究では、核磁気共鳴イメージング(MRI)とその感度を劇的に向上させる動的核偏極法(DNP)を組み合わせた超偏極MRIに着目しました。超偏極MRIは、高感度化した分子プローブの生体内代謝を非侵襲的に観測できるため、機能的な疾患診断手法として注目されています。本研究では、標的酵素としてアミノペプチダーゼ(AP)を選択し、脳内APNとAPA活性を同時検出可能な超偏極MRI分子プローブ群の開発とその脳炎症診断への応用を目指します。本研究の成果が、超偏極分子プローブ設計の基盤技術や脳炎症を含む脳疾患病態研究の発展に貢献できるよう励んで参りますので、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

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  • 06

    岡 芳美

    岩手大学理工学部理工学科

    准教授
    岡 芳美

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    研究テーマ

    人工細胞膜を反応場とする生体分子に対する弱磁場の影響評価

    この度は第32回磁気健康科学研究助成に採択していただき、誠にありがとうございます。私は機能物性化学を専門としており、近年は生体分子の磁気センシング機能に着目して研究を進めてきました。本研究課題では、渡り鳥が“目の網膜に存在するフラビンタンパク質(クリプトクロム)で地磁気をセンシングしている”という仮説から、集合体として機能発現するための形状(球状)に着目しました。そのモデルとして、人工細胞膜・磁気イメージングセンサーを生体分子ユニットにより構築し、構造-磁気センシング機能相関を明らかにしたいと考えています。生物の磁気受容機能解明、弱磁場や電磁波の健康増進または健康被害に対する基盤構築に繋がることを期待して、研究を進めて参りたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。

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  • 07

    大谷 泰

    東京科学大学整形外科分野

    特任助教
    大谷 泰

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    研究テーマ

    生体磁場計測装置を用いた筋活動の評価と神経筋疾患の診断

    東京科学大学 先端技術医療応用学講座の大谷泰と申します。このたびは、貴財団の研究助成に採択いただき、誠にありがとうございます。私たちは、筋や神経の活動に伴って生じる極めて微弱な磁場を計測し、神経疾患の診断に応用する研究に取り組んでおります。運動単位の大きさの評価は、筋力低下の原因が筋か神経かの鑑別に有用です。私たちは、微弱電気刺激により誘発された単一の運動単位由来の磁場を計測することによって、非侵襲的にかつセンサーまでの距離の影響を受けずに運動単位の大きさを評価することに成功しました。本研究では、随意収縮時の単一の運動単位の活動を磁場情報のみから分離・解析し、新規の診断方法を開発することを目標としております。今回のご支援を活用し、研究を前進させてまいります。

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  • 08

    細見 晃一

    大阪大学大学院工学研究科附属
    フューチャーイノベーションセンター

    特任講師
    細見 晃一

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    研究テーマ

    神経障害性疼痛に対する短期集中シータバースト経頭蓋磁気刺激の有効性に関する
    国際多施設共同研究

    大阪大学大学院医学系研究科脳神経外科学の細見晃一です。この度は、第32回磁気健康科学研究助成に採択いただき、誠にありがとうございます。私は脳神経外科医として外科的なニューロモデュレーション療法に従事するとともに、非侵襲脳刺激療法の開発に取り組んでいます。神経障害性疼痛に対する反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は国際ガイドラインで第3選択とされていますが、従来の刺激プロトコルでは頻回に通院を要し、患者・医療機関双方にとって負担が大きい点が課題です。本研究では短期集中シータバースト刺激を導入し、国際多施設共同無作為化比較試験により、その臨床的有用性と負担軽減を検討します。本研究を通じて、新たな非侵襲脳刺激療法の確立に資する質の高いエビデンスを創出し、痛みに苦しむ患者さんに新たな治療選択肢を提供することを目指します。

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  • 09

    笹山 瑛由

    九州大学大学院
    システム情報科学研究院

    准教授
    笹山 瑛由

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    研究テーマ

    磁気粒子イメージングに向けた磁気イメージセンサーの開発

    この度は第32回磁気健康科学研究助成に採択していただきまして、誠にありがとうございます。磁性ナノ粒子を用いる磁気粒子イメージングは、癌などの疾患を可視化できる新しい診断技術として、注目を集めているものです。磁気粒子イメージングを行うために、現在、強い傾斜磁界を用いた方法が主流となっていますが、人体サイズの傾斜磁界の生成が困難なため、人体を対象とした磁気粒子イメージング装置がない状況にあります。そこで本研究では、強い傾斜磁界を用いず、磁性ナノ粒子からの磁界を多点で高感度に計測して磁気画像を取得する、磁気イメージセンサーの開発を行い、人体を対象とした磁気粒子イメージングを目指します。今後とも、ご指導ご鞭撻の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

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  • 10

    奥山 航平

    慶應義塾大学医学部
    リハビリテーション医学教室

    研究員
    奥山 航平

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    研究テーマ

    高頻度反復性経頭蓋磁気刺激の鎮痛作用を増強するプライミング刺激の効果検証

    この度は第32回磁気健康科学研究助成に採択していただき、誠にありがとうございます。私たちは本助成により慢性疼痛に対する治療に用いられる高頻度反復性経頭蓋磁気刺激において、より効果的な刺激方法の検討に取り組みます。本邦における慢性疼痛の罹患者は約2,300万人と推計され、健康面や社会経済面においてさまざまな問題を引き起こしています。内服では十分な改善が得られない慢性疼痛に対する非薬理的な治療方法として経頭蓋磁気刺激を用いた治療が注目されています。しかし、その臨床普及は限定的であり、最適な刺激手法の確立や効果予測因子の確立など、科学的根拠のさらなる強化が必要です。私たちは現在有効とされている治療刺激前にプライミング刺激を行うことで鎮痛作用や脳皮質の活動を修飾し得るかを検証します。この研究が慢性的な疼痛に苦しむ患者への治療を発展させる一助になるよう取り組んでまいります。

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  • 11

    髙橋 隼

    大阪大学大学院医学系研究科
    精神医学教室

    講師
    髙橋 隼

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    研究テーマ

    レビー小体型認知症および軽度認知障害の
    抑うつ症状への脳磁気刺激療法の有効性と安全性を検討する探索的介入研究

    この度は研究助成に採択をいただき誠にありがとうございます。今回の助成をいただき、発症早期のレビー小体型認知症の抑うつ症状をターゲットに、磁気刺激治療の有効性と安全性を検証する臨床介入研究を企画しています。レビー小体型認知症の患者さんは薬剤過敏性や自律神経症状、パーキンソニズムから薬物療法に制限がでることが多く、低侵襲で副作用の少ない磁気刺激治療が患者さんのQOLの向上につながる有用な治療として開発されることを目指してまいります。

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  • 12

    打田 佑人

    名古屋市立大学
    大学院医学研究科

    研究員
    打田 佑人

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    研究テーマ

    磁化率共鳴画像磁化率分離法によるアルツハイマー病患者の脳アミロイドβ定量

    名古屋市立大学神経内科学およびジョンズ・ホプキンス大学磁気共鳴画像部門所属の打田佑人です。この度はこのような栄誉有る賞にご採択いただき光栄に存じます。私は、MRIを用いて脳の微細構造を可視化し、アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患の早期診断および病態解明を目指した研究を行っております。特に、拡散MRIや磁化率イメージングといった先端的な手法を組み合わせることで、これまで捉えることが難しかった病理学的変化を定量的に評価することに取り組んでいます。今後は、これらの技術を臨床応用へと橋渡しし、診断精度の向上や新たな治療戦略の開発につなげることを目標としております。また、日本と米国の研究連携を通じて、国際的な視点から脳科学の発展に貢献していきたいと考えております。この度のご支援に心より感謝申し上げますとともに、今後も研究に邁進してまいります。ありがとうございました。

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  • 13

    金光 芳樹

    九州大学大学院医学研究院

    大学院生
    金光 芳樹

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    研究テーマ

    脳波疾患内サブタイピングに基づくrTMS治療予測アルゴリズムの開発

    近年、うつ病に対する低侵襲治療として経頭蓋磁気刺激法(rTMS)が注目され、診療報酬改定が実施されるなど広まりを見せています。しかしrTMSは時間・空間リソースを要しつつも、依然として治療効果に個人差が大きいことが課題の一つです。もとより、うつ病を含む精神疾患は臨床症状で診断される性質上、同一診断でも多様な病態を内包しており、この疾患内異質性が治療反応に影響を与える可能性は少なくないとされています。そこで本研究では、脳波検査と機械学習アルゴリズムを用いた解析により、客観的指標に基づくうつ病の疾患内サブタイプを明らかにし、rTMSの治療反応予測に役立てることを目標とします。最終的には、サブタイプ分類を活用したデータ駆動型医療へと繋げ、患者ごとの最適な治療選択を支援し、rTMSの有効性向上に繋がることを目指します。

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  • 14

    片山 奈理子

    慶應義塾大学保健管理センター

    専任講師
    片山 奈理子

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    研究テーマ

    反復性経頭蓋磁気刺激法(TMS)の磁場作用による
    神経可塑性機構の解明と心理療法効果増強への応用

    このたびは栄誉ある賞を賜り、心より御礼申し上げます。慶應義塾大学保健管理センター・医学部精神・神経科学教室の片山奈理子です。本研究は、うつ病に対する反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)と認知行動療法(CBT)の併用に着目し、治療前後の脳機能変化を機能的MRI(fMRI)により検証することで、磁気刺激が心理療法の効果を高める神経可塑性の機構解明を目的としています。 特に前頭前野を中心とした脳内ネットワークの再構成過程に注目し、異なる治療法がどのように相補的に作用するかを明らかにします。将来的には、本研究成果を基盤として非侵襲的治療の科学的根拠を確立し、個々の患者に応じた最適な治療選択を可能とする個別化医療の実現に貢献したいと考えております。

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  • 15

    辻 寛謙

    公益財団法人
    東京都医学総合研究所

    研究員
    辻 寛謙

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    研究テーマ

    上肢運動機能再建を目的とした反復経頚椎磁気刺激法の機能的誘発運動評価

    この度は第32回磁気健康科学 研究助成にご採択いただき、誠にありがとうございます。私は、脊髄損傷や脳卒中などの中枢神経損傷患者における運動麻痺の改善を目的とした研究を行っております。
    本研究で用いる磁気刺激は、非侵襲的に神経活動を誘発できる技術であり、脊髄領域に対して反復刺激を行うことで、機能的な四肢運動が誘発できます。そこで本研究では、頚椎に対して反復磁気刺激を行うことで誘発される上肢運動を詳細に解析し、その空間的分布を明らかにすることで、頚髄における運動機能地図を作成することを目的とします。
    さらに、本研究で得られた知見を基盤として、中枢神経損傷患者に対する新たなリハビリテーション手法の開発および臨床研究へと展開する予定です。中枢神経損傷でお困りの方々の運動麻痺に対する治療として社会実装することを目標に、引き続き研究に取り組んでまいります。今後ともご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

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  • 16

    芝 陽子

    岩手大学理工学部
    材料科学コース

    准教授
    芝 陽子

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    研究テーマ

    磁性ナノ粒子の細胞小器官への標的化を利用した
    エンドソーム脱出の磁場条件の研究

    岩手大学理工学部材料科学コースの芝陽子と申します。この度は、磁気健康科学研究助成に採択いただき、深く感謝申し上げます。私たちの体を構成する細胞は、細胞外の物質をエンドサイトーシスによって常に取り込み、エンドソームを経由してリソソームへ輸送し、分解しています。薬剤なども同様に細胞内へ取り込まれますが、その多くはリソソームで分解されてしまい、エンドソームから細胞質へ脱出できる効率は1–3%程度と考えられています。私たちの研究室では、ヒトの細胞のエンドソームに磁性ナノ粒子を取り込ませ、磁場をかけることで、エンドソーム脱出を操作する研究に取り組んでいます。本研究では、細胞質へ移行した磁性ナノ粒子をゴルジ体などオルガネラに係留する技術を利用し、エンドソーム脱出を評価したいと考えています。将来的には、樹状細胞に磁性ナノ粒子を取り込ませ、エンドソーム脱出のメカニズムや抗原提示との関係を明らかにしていきたいと考えています。今後も、磁気を利用した細胞内輸送の制御の研究を発展させたいと考えています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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  • 17

    片桐 夏樹

    順天堂大学大学院医学研究科

    日本学術振興会 特別研究員
    片桐 夏樹

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    研究テーマ

    脊髄損傷後異常同時収縮に対する経頭蓋磁気刺激を用いた
    皮質-網様体脊髄路評価法の確立

    この度は第32回磁気健康科学研究助成に採択いただき、心より御礼申し上げます。本研究では、経頭蓋磁気刺激法(TMS)を用いて、脊髄損傷後に生じる異常同時収縮の病態の解明を目指します。異常同時収縮とは、動作の際に弛緩すべき筋肉が意図せず活動してしまう症状を指します。この異常同時収縮は動作の円滑性を損なうため、日常生活動作を妨げる重大な問題です。脊髄における背景メカニズムは報告されている一方、脳から脊髄にかけて生じる神経活動については未だ十分に解明されておりません。本研究では、筋の緊張を制御する皮質網様体脊髄路と呼ばれる経路に着目して症状の重症度との関連を検証することで、メカニズムの解明を目指します。本研究の成果を通じて、脊髄損傷後の異常同時収縮の改善に貢献できるよう取り組んでまいります。ご支援の程よろしくお願い申し上げます。

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